【レポ】あらかじめ決められた恋人たちへ × contact Gonzoが問いかける演者と観客の関係性(171230 CROSSING CARNIVAL @渋谷WWW / 渋谷WWW X)

カルチャー情報メディアCINRA.NETが新たに始めたライブイベント。
渋谷WWW / WWW X、2会場での開催。
2組の異なるアーティストのコラボレーションによるライブが大半を占め、CINRA独自のキュレーションによる「ここでしか見られない」内容になっているのが特徴。

出演アーティストは、

全アーティスト観たのですが、初めから最後まで観られたのはCHAIあら恋。その中から、今回はあら恋について。

あらかじめ決められた恋人たちへ × contact Gonzo

ほとんど音楽性を知らずに観たのですが、シューゲイズ的な空間を埋めるサウンド、曲後半で爆発する展開に一気に引き込まれました。今回のイベントは全体的にクラブミュージック寄りで、クールに聴かせるアーティストが多い印象でしたが、その中で最もロックしてた印象です。

そして特筆すべきは、コラボレーションしたcontact Gonzoという4人組のパフォーマンス集団。あら恋が演奏している間、客席に降りてきて観客の中に割って入り、互いに身体をど突き合ったり揉み合ったりするんです。その光景を見て、笑顔で歓声をあげる観客もいれば、まるで不審者を見るかのような眼差しを向けたり、もしくは目を背けたりする観客もいる。リアクションの内容はさておき、観客は部外者でいられなくなる。観客に「関与」してくる。「演者である・観客であるといった境界はなく、その空間全体で以って成立している」「ショーなのか、アートなのか、事件なのか、どう解釈するのか」。

音楽のライブって、「観る側」と「やる側」の境界を意識せずとも引いていて、それはともすると"see"になってしまうのではないかと個人的に思っています。再生ボタンを押せば当然流れ始めるビデオのように、「リアルタイムに」「一回性を以って」そこで繰り広げられているという事実を忘れ去ってしまっているということが、特にライブに頻繁に足を運んでいる人なんかには起こりえるのではないかと思います。今回のcontact Gonzoのパフォーマンスを目の当たりにして、「何が起こるかわからないという"予測不可性"を孕んでいる、それこそがライブである」「目の当たりにしていることが一体何であるのか、その"解釈"を委ねられる、それこそがライブである」、そういったことを改めて考えさせられました。

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